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ルーマニア語の勉強は難しい?習得時間と学び方

ルーマニア語の勉強をする机:本と開いたノート、コーヒーカップ、背景にカルパティア山脈とトランシルヴァニアの町並み

ルーマニア語の勉強は、日本語を母語とする人にとって楽な道ではありませんが、文字は英語とほぼ同じアルファベットで、つづりもほぼ発音どおりです。名詞の性や冠詞、動詞の活用はゼロから覚える必要があり、日常会話レベルまでは毎日の学習で1年前後、流暢に話せるまでには3年以上を見ておくと現実的です。

ルーマニア語を話す人はどれくらいいる?

ルーマニア語を母語とする人は約2,400万人です。第二言語として使う人を含めると、およそ2,800万人になります。多くはルーマニア(人口約1,900万人)とモルドバに住んでいて、両国で公用語になっています。

イタリア、スペイン、ドイツ、イギリスにも大きなルーマニア系コミュニティがあり、ウクライナ(とくにブコビナ地方)やセルビアにも話者がいます。EUの24の公用語のひとつでもあります。

ルーマニア語はどの語族に属する?

インド・ヨーロッパ語族のロマンス語派で、その中でも東ロマンス語という独自のグループを作っています。もとになったのは、ローマ帝国の属州ダキアで話されていた俗ラテン語です。

その後は長いあいだ他のロマンス語圏から離れ、スラブ系の言語やハンガリー語、ギリシャ語、トルコ語に囲まれて発展しました。たとえば「prieten(友だち)」や「da(はい)」はスラブ語、「oraș(町)」はハンガリー語、「dușman(敵)」はトルコ語から入った言葉です。それでも文法の骨組みはラテン語のままです。

ルーマニア語に似ている言語は?

いちばん近いのはイタリア語で、スペイン語、ポルトガル語、フランス語とも共通点が多くあります。日本語とは系統的なつながりはありませんが、カタカナ語や英単語には同じラテン語系の語源を持つものが少なくありません。

ルーマニア語意味似ているカタカナ語・英語
pâineパンパン(ポルトガル語 pão から)
cafeaコーヒーコーヒー(coffee)
ciocolatăチョコレートチョコレート
televizorテレビテレビ(television)
universitate大学university
informație情報インフォメーション

一方、カタカナ語と見た目が似ていても意味が違う単語もあります。

  • magazin:雑誌(マガジン)ではなく「店」。雑誌は revistă です。
  • librărie:図書館(ライブラリー)ではなく「書店」。図書館は bibliotecă です。
  • fabrică:布地(ファブリック)ではなく「工場」です。

ルーマニア語に方言や変種はある?

あります。言語学では主に次の4つに分けられます。

  • ダコ・ルーマニア語:ルーマニアとモルドバで使われる標準ルーマニア語。講座で学ぶのはこれです。
  • アルーマニア語:ギリシャ、アルバニア、北マケドニアの共同体で話されています。
  • メグレノ・ルーマニア語:話者は数千人ほどで、消滅の危機にあります。
  • イストロ・ルーマニア語:クロアチアのイストリア半島で、ごく少数の人が話しています。

後の3つを独立した言語とみなす研究者もいます。

では「モルドバ語」とは何でしょうか。実はルーマニア語と同じ言語で、違いは主に訛りと一部の語彙です。2023年、モルドバ議会は法令の中の「モルドバ語」という名称を「ルーマニア語」に置き換えました。ルーマニア語を学べば、ブカレストでもキシナウでも通じます。

ルーマニア語は難しい?

アメリカ国務省の外務職員局(FSI)は、ルーマニア語を英語話者にとって最も易しいカテゴリーIに分類しています。スペイン語、イタリア語、フランス語と同じグループです。

ただし、これは英語話者の場合です。日本語話者は、名詞の性、冠詞、単数と複数の区別、人称による動詞の活用など、日本語にない仕組みを一から身につける必要があります。語順も「主語・目的語・動詞」ではなく、英語と同じ「主語・動詞・目的語」が基本です。

うれしい点もあります。つづりはほぼ発音どおりなので、文字を覚えればすぐに音読できます。

ルーマニア語の習得期間はどれくらい?

FSIによると、英語を母語とする大人がルーマニア語を仕事で使えるレベルにするには、約24週間、授業時間にしておよそ600時間が目安です。集中講座に自習を加えた場合の英語話者のデータなので、日本語話者は長めに見積もっておくほうが安全です。

1日45分〜1時間学習した場合の、日本語話者向けのおおまかな目安は次のとおりです。

目標レベル学習時間の目安期間の目安
旅行で困らないA180〜120時間3〜4か月
日常的な話題で簡単な会話A2200〜300時間7〜11か月
自由な会話、字幕付きで映画を楽しむB1〜B2500〜800時間1年半〜2年半
流暢に話すC11,000〜1,300時間3年以上

あくまで推定です。スペイン語やイタリア語を学んだ経験があれば、期間はかなり短くなります。また、週末に2時間まとめて勉強するより、毎日20分続けるほうが効果的です。土曜日に覚えた単語の多くは、木曜日には忘れてしまうからです。

ルーマニア語学習でつまずきやすいポイントは?

名詞の後ろにつく冠詞

英語の a や the で苦労した人も多いでしょう。ルーマニア語の定冠詞はさらに独特で、名詞の後ろにくっつきます。「lup」はオオカミ、「lupul」はそのオオカミ。「casă」は家、「casa」はその家です。語尾は性・数・格によって変わるので、最初は混乱しがちです。

格変化

格は5つありますが、形の上では主格・対格、属格・与格、呼格の3グループにまとまります。日本語では「が・を・に・の」といった助詞が名詞の役割を示しますが、ルーマニア語ではその役割を主に冠詞の形の変化が担います。大まかにいえば、属格は「の」、与格は「に」に近い働きです。語の形そのものが変わる点に慣れが必要です。

名詞の性と、ふるまいの変わる中性

名詞には男性・女性・中性があり、形容詞もそれに合わせて形を変えます。厄介なのは中性名詞で、単数では男性名詞のように、複数では女性名詞のようにふるまいます。「un scaun(椅子1脚)」と「două scaune(椅子2脚)」では、つく形容詞の形が違ってきます。例文の中で慣れるのが早道です。

不定詞の代わりに使う接続法

日本語なら「食べたい」は「〜たい」をつけるだけですが、ルーマニア語では「vreau să mănânc」と言います。直訳すると「私が食べることを私は望む」という形です。会話に頻繁に登場し、A2レベルでいちばんの山場になりやすい文法です。

ルーマニア語の発音と補助記号

アルファベットには ă、â、î、ș、ț の5文字が加わります。「ș」は「シ」、「ț」は「ツ」の子音に近く、日本語話者にはなじみやすい音です。

難しいのは母音です。日本語の母音は5つですが、ルーマニア語には7つあります。「ă」は英語の about の最初の a のようなあいまいな音です。「â」と「î」は同じ音を表し、唇を丸めずに「イ」と「ウ」の中間あたりで出す音です。

子音の連続にも注意が必要です。「trei(3)」や「frumos(美しい)」を「トゥレイ」「フルモス」のように母音を挟んで発音しないよう意識しましょう。r は舌先で弾く音で、日本語のラ行に近いのは有利な点です。ただし「lac(湖)」と「rac(ザリガニ)」のように、l と r は区別しなければなりません。アクセントは高低ではなく強弱で、位置が単語ごとに違うため、単語と一緒に覚えます。

話せるようになるには、どう勉強すればいい?

単語リストだけでは、店や病院で用は足せません。相手の言葉を聞き取り、正しい形で答えを組み立て、通じる発音で口に出す必要があります。近道は、語彙、文法、発音を具体的な場面の中でまとめて練習し、忘れる前に復習することです。

SuperMemoの講座ルーマニア語:Fast Trackは、この考え方で作られています。ゼロからA1〜A2レベルまでを目指す総合的な語学講座で、旅行先や現地での日常的な場面に備えられます。各章は会話文や短い文章を軸に構成され、2,900以上の練習問題でリスニングとリーディングの力を伸ばしながら、自分の言葉で文を作る練習もできます。音声で正しい発音に耳を慣らし、モバイルアプリでは音声認識を使って自分の発音を確認できます。

テーマは、あいさつや丁寧な表現、家族や仕事の話、市場での買い物、レストランやカフェでの注文、電話、病院や薬局でのやりとりなど、最初に必要になるものです。SuperMemoのメソッドが語彙と文法の復習のタイミングを自動で組み立てるので、すでに覚えたことに時間を使わずにすみます。講座内の指示は日本語で表示されるため、日本語の教材が少ないルーマニア語でも安心です。iOSとAndroidのアプリ、またはブラウザで学習できます。ほかの講座はSuperMemoのルーマニア語講座一覧からご覧ください。

ルーマニア語の勉強についてよくある質問

日本語話者にとってルーマニア語は難しい?

名詞の性や冠詞、動詞の活用が日本語にないため、英語話者よりは時間がかかります。ただ、つづりはほぼ発音どおりで、r や ț のように日本語話者が出しやすい音もあります。

英語やスペイン語を知っていると有利?

有利です。英語を知っていればアルファベットに迷わず、ラテン語由来の単語も推測しやすくなります。スペイン語やイタリア語を学んだことがあれば、基本語彙や動詞の活用パターンの多くが共通しています。

日常会話ができるまでどれくらいかかる?

1日45分〜1時間の学習で、日常的な話題の簡単な会話(A2レベル)までは7〜11か月ほどが目安です。流暢さには3年以上かかるのが普通です。

ルーマニア語とモルドバ語は同じ言語?

同じ言語です。違いは訛りと一部の語彙で、2023年からはモルドバの法令でも「ルーマニア語」という名称が使われています。

何から勉強を始めればいい?

まずは発音と、よく使う300〜500語から。あわせて、自己紹介、注文、道を尋ねるといった簡単なフレーズを覚えましょう。冠詞、格、接続法などの文法は、例文を通して少しずつ身につけるのがおすすめです。

まずは基礎から始めたい方は、ルーマニア語:Fast Trackで1日15分の学習を試してみてください。復習のタイミングはあなたの記憶に合わせて調整されます。